運命の扉
◆:気持ち
いつもより早い時間に起きて、朝ご飯を済ませる。

莉紗にはそれとなく理由を話して、優斗と登校するように伝えた。

1人で学校へと向かう。

坂を下って駅を通り過ぎる瞬間。
それまで穏やかだった風が強く吹き荒れた。

春とは言っても、まだ4月。
早朝の風は冷たい。
冷たい風が頬を撫でていった。

胸が……騒ついた。

その騒つきをかき消すように、美佳の元へと急いで足を進める。


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