運命の扉
「男の勘?あはは…なにそれ。」
いつもみたいに冗談だって笑ってよ。
あたしまで調子狂うよ……
「……俺…変だわ。」
「ゆ…うと……?」
肩に回す腕を解いて、優斗の顔を見る。
あれほど強かった腕は簡単に離れた。
「ごめ…っ。他の奴のものになるって考えたら……かなり苦しい………あー、マジどうかしてるわ……。」
君はなんてずるいんだろうか…
ずるいよ……
そんな顔されたら
気持ちが揺らぐじゃない…。
「とりあえず、優斗の家行こう?このままじゃ、ご飯なんて食べらんないよ…」
力ない手を握って、優斗の家へと連れて入る。
「鍵は?」
ポケットから鍵を出して、あたしに渡した。
鍵を開けてリビングにお邪魔する。
優斗は力なくソファーに座り、うずくまってしまった。
ただ、その姿を見つめることしかできない。