運命の扉
「莉紗がお前のことを考えてくれてるから、裏切れない。」
「何言ってるの…?」
肩を掴まれて、体を優斗の方に向けられた。
「お前…なんでそこまですんの?」
「優斗、手、離して…?」
「俺をちゃんと見てくれよ………」
胸が苦しい……
あたしはゆっくり優斗の手を握りしめ
「ごめんね…」
と答えて肩に置かれた手を下ろした。
無言で俯いてる優斗をリビングに残して玄関に向かった。
あれ以上一緒にいたら、きっと…………
揺れ動いちゃうよ。