年下カレシに蜜な罠
深い所を優しく握られるみたいにじんわりと心の奥が甘く痛む。
――でも、嫌いじゃないの。
…――この痛み。
「1年、我慢したんだから、少しくらい瑠璃に甘えたい」
私の髪に顔を埋めると、
「瑠璃っておいしそうな香りがするよね」
りんごみたいな、と続ける。
「今まで学校で会えなかった分、いっぱいいっぱい…甘えたい」
ダ、ダメ―――
頭の芯から痺れていくような、毒牙に侵されたみたいに“自由”を奪われていく。
私の前には甘い雰囲気をまとった凜久。
加速していく心が、段々と膨らんでいって…――パンッて弾けてしまいそう。