年下カレシに蜜な罠
◆06*Honey
『…うっ、凜久――』
電車の中での出来事、
遊くんに会ったこと……
凜久がいない間に、いろんなことがあったんだよ。
「凜久――、」
『…瑠璃…なんかあった?』
ダメ、あと1日の我慢なんだから
あのことは、……言わない。
言えない、よ――。
「ご、ごめんね――…凜久の声聞いたら急に安心して…それでっ」
『――俺も…。今日の朝電話したばっかなのにね』
本音を話しながら、どうにかあの事を隠した。
電話越しに聞こえてくるのは、凜久の寂しさが混ざり合った
――甘酸っぱいため息だった。