年下カレシに蜜な罠


次に目を覚ました時は、もう薄日が差していて。



あの頃…行き先を決めないで、出掛けた日

電車の中から見た、同じ光景が広がっていて。


また、瑠璃と……どこかに行ってみたいな…


四角い窓の向こう側を見つめながら、ぼんやりと思った――。





キラキラと光の粒を揺らす海を、ケータイで撮ってみる。




「きっとまだ瑠璃は寝てるんだろうな」


それを瑠璃に送って、返事を待ってみたけど。



案の定、返事は来なくて。




「やっぱ寝てる、か……」


きっと…いちご柄のタオルケットにくるまって、眠ってるんだろうな。




瑠璃は、夕方に帰ってくると思ってるから少しびっくりさせちゃうかもしれないけど。







―――もう少しだけ、待ってて?


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