年下カレシに蜜な罠
「瑠璃、おはよ」
凜久の胸の中に納まっていた私はゆっくりと顔を上げていった。
そこには―――…
「りり、りっ……」
「俺の名前、忘れちゃった?」
そんな訳ないよ!!
だっ、だって……!
帰ってくるのは夕方だって。
傍に置いてあった赤い目覚まし時計を見ると、まだ8時過ぎ。
「瑠璃に会いたくて、帰って来ちゃった」
ギュッと、また抱きしめられて凜久の表情を見ることが出来ない。
私だって、早く凜久に会いたかったんだもん――。