年下カレシに蜜な罠


2年生の女子は、入学してくる新入生に、ブレザーの胸元に赤い花を付けることになっている。



「まだ、大丈夫だよ…ね」


チラリと時計を確認すると、まだ時間の余裕があった。




「でも、あれが全部夢だったなんて――…」


"俺が守るよ"

電車の中でそう言ってくれた凜久はすごくカッコよかったのに。


あの教室にふたりで入った時も。



「甘えてくる凜久、可愛かったなぁ…」



夢の中の凜久の姿をモンモンと頭の中で繰り広げながら、



「じゃあ、行ってきます!」


昨日磨いたばかりのローファーを履いて、駅へと向かった。



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