年下カレシに蜜な罠


 *凜久 side*


 初めて誰かを怖いと思った

 俺が不安定なままじゃ
 
 瑠璃は離れて
 行っちゃうんじゃないかって



 どこか
 遠くに行ってしまいそうで


 隣に感じる体温を
 急に失ってしまいそうで…













“遊くん”

瑠璃が発したこの言葉に、
体が怖いくらいに反応したのが分かった。


頭の片隅で、薄れていた名前。




俺よりも前に、瑠璃を好きになった奴。


俺が知らない瑠璃を、
知ってて――。


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