年下カレシに蜜な罠
満員電車の中で揺られながら、あんな風に守ってもらうのは…明日までの我慢、我慢…。
明日からは凜久と一緒に、来れるんだ。
夢の時と同じように、私のこと…守ってくれる、かな?
あの時、下から見上げた凜久のキリッとした表情は…―――
「…ふふっ」
「ちょ…、瑠璃ってば朝からなんなのー?」
やだ、どうしよう…
嫌でもあの表情を思い出すと、ニヤけちゃう。
ピ-ン ポ―ン
「1年生の入学式に向かう準備が出来ました。2年の女子生徒は花を付けに行って下さい」
廊下に響き渡るアナウンス。
教室の窓から、桜の花が揺れる様子を見ていた私とあおいは"目的"のクラスへと向かった。