年下カレシに蜜な罠


「えっと――そちらの方は…瑠璃ちゃんの彼氏よね?」


ぎこちない雰囲気のまま、凜久と遊くんが握手をした後に

さおりさんが口を開いた。



「えっと…卯月凜久って言って、1年生なの」


この前、ふたりが来たときは体験合宿中だったから学校にはいなかったんです。

…と、付け足した。




「俺がいない間に瑠璃がお世話になりました」

私の腰にすばやく腕を回すと、そのままグッと引き寄せた。



「…り、凜久っ」

顔を真っ赤にした私を笑うのは…


私を抱きしめている凜久と、さおりさん。


遊くんはというと……

控えめにクスクスと笑っていた。





「そっかそっか――…瑠璃も高2だもんな。恋人くらいいるよな」


どこか遠い目をして、笑っていたんだ。


そんな寂しそうな顔して笑わないで――。


切ないような、苦いような……

そんな想いが私の胸を優しく締め付けた――…。


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