年下カレシに蜜な罠
「そういえば、あのふたり…どのクラスで実習するんだろう」
「――あ、そういえば…肝心な事聞いてなかったね」
何やってんだ、俺たち。
…と、堪えきれずにプッと吹き出すのは凜久。
「じゃあ、お昼にね」
「……っ!」
顔だけが近付いてきて、凜久の唇が軽く触れて。
体の芯が、一気に熱を持った。
「えー、今日からこのクラスで勉強してもらう―――…」
先生の説明の言葉なんて、耳に入っては来なかった。
私はただ――
「楠木遊です。今日からみなさんと……」
にこやかに笑いながら、挨拶をする遊くんの姿をただ口を開けて見ていることしか。
【From:瑠奈】
ほら、お決まりの展開
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一通のメールが受信されていた事さえ知らずに。