年下カレシに蜜な罠
「瑠璃…?」
あおいには、私の気持ちや取り繕う表情も全部お見通しみたいで、俯いた視線の中に顔を覗かす。
「凜久くんの事を想うキモチは、イチバンでしょ?」
"イチバン"
その言葉が私の心の中で温かく溶けていく。
「ほら、行くよっ!」
私の腕を引っ張ると、そのままクラスまで走っていく。
「女は度胸」
私の背中をパチンと弾くと、軽くウインクまでしてくれた。
「う、うん…!」
女の子たちが群がっていて、中にいる人は分からない。
でも絶対凜久だ…――!
ギュウギュウと押されながら、必死に中へと迫っていく。
「…り、く…――」
赤い花を手の中へ握り締め、少しずつ少しずつ近付く。
――……でも。