年下カレシに蜜な罠



「さっきの…教育実習生でしょ?」

「はい…」









――『あの先生、きっと…瑠璃ちゃんのこと…『幼なじみなんです…実は』


“決定的な言葉”を聞く前に、遮ってしまったんだ――。







「今日は久しぶりにハニーハウス寄って行こっか」

帰り道、私の小指を優しく握りながら凜久が誘ってくれた。



「…うん、行く!」




「…あらぁ、久しぶりじゃない」

変わらない笑顔で、迎えてくれるおばさん。

その笑顔に、冷めた心の中に温かい火が灯り始める。



賑わっている店内の中をぐるりと見渡すと、私たちはいつも座る席に腰を下ろした。


< 167 / 350 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop