年下カレシに蜜な罠
「さっきの…教育実習生でしょ?」
「はい…」
――『あの先生、きっと…瑠璃ちゃんのこと…『幼なじみなんです…実は』
“決定的な言葉”を聞く前に、遮ってしまったんだ――。
「今日は久しぶりにハニーハウス寄って行こっか」
帰り道、私の小指を優しく握りながら凜久が誘ってくれた。
「…うん、行く!」
「…あらぁ、久しぶりじゃない」
変わらない笑顔で、迎えてくれるおばさん。
その笑顔に、冷めた心の中に温かい火が灯り始める。
賑わっている店内の中をぐるりと見渡すと、私たちはいつも座る席に腰を下ろした。