年下カレシに蜜な罠
見られちゃったのは確かに気にするけど…
問題は。
――遊くんに没収されてしまったこと。
――『そんなに好きなんだな』
消しゴムを見つめる遊くん。
それをポケットに突っ込むと。
――『没収な?』
ニコッと笑ってみせて。
――『放課後、瑠璃がひとりで職員室に来たら返してやる』
これ、俺も知ってる。
アイツに見つかったらヤバいんじゃないの?
これに刻まれてる名前の、張本人に。
何かを企んでいるような笑みを浮かべながら、
そう言い放った遊くんの後ろ姿を
私は黙って見送るしかなかった。