年下カレシに蜜な罠
「遊くん……ひゃあ…っ」
小さく弾けるのは、瑠璃の悲鳴。
ドアの向こう側、から。
――ドンドン、ドン!
ドアを叩くと、……さっきよりも重い。
「おいっ、凜久!」
焦ったヨウの声。
このドア越しに、瑠璃が押さえつけられている――。
「見せつけて……くれるよね」
“何に”ついて言っているのかは一瞬で理解出来た。
それは……
――瑠璃に付けた、キスマーク。
「……や、めて――」
やめろ……
瑠璃に、触るな。
剥き出しの感情が
どろぬまにハマッっていく――
弱々しい瑠璃の悲鳴に、心臓から押し出される血が、冷たいモノに変わって。
体の感覚が、失くなっていく。
痺れていく――。