年下カレシに蜜な罠
◆11*Honey
手の上に乗せられた、白くて四角いモノを見つめる凜久。
「あっ……」
包む紙を、そっと――ずらされてしまった。
「瑠璃、凜久……」
刻まれた名前を、……読み上げられて。
体の中心に、熱が集まってくる。
顔さえも、焼けるように熱い。
とうとう……
凜久に知られちゃった――。
すごく恥ずかしいよ……。
「名前を書いてたところを、遊くんに見つかって……それで」
「返して欲しければ――瑠璃ひとりで来い……とか?」
「そ、そうです……」
「なんで敬語……っ?」
クスッと小さな笑いをこぼすと、消しゴムは私の手の中に戻ってきた。