年下カレシに蜜な罠



「ちょっと瑠璃、いつまで入ってるのぉ!?」

「……ご、ごめんなさいっ」


突然耳に入って来た、お母さんの声。


届いた声に弾かれたように、肌の上にたっぷりの泡を滑らす。



視線を下にずらすと、
真っ白な泡の下から存在を主張する……



赤いみっつの跡。


その中の、


ひときわ小さい……
色あせた、跡。


なんで――

“自分が付けた”


凜久はそう言ったのに、手で拭うフリなんか……したんだろう。



< 210 / 350 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop