年下カレシに蜜な罠
授業の終わり。
「なんか分かんないことがあったら、なんでも聞いてね」
俺のクラスを担当することになった、水野さおり――先生。
瑠璃を通してか、
よく絡んでくるっていうか……
笑顔でそう言い放つと、
柔らかい曲線を描く髪を風に散らしながら、教室を出て行く。
「なんか、さ……」
初対面にしては、馴れ馴れしい気がすんだけど。
シャープペンをカチカチと鳴らしながらヨウが呟いた。
――そもそも。
さおりさんは
“遊くん”と、どういう関係なのかすら、知らない。
実習からもう6日が過ぎたと言うのに。