年下カレシに蜜な罠
って、さっきから背中辺りに感じる視線。
気になって、しょうがない。
「……ッ」
後ろを振り返ると、
“よく”見覚えのある髪がなびくのが見えた。
「あれは……瑠璃だな。何やってんだ?」
半ば呆れたような、ヨウの表情を隣から盗み見る。
どうしたんだろ、瑠璃。
いつもは休み時間なんかに顔を合わせることなんてないから。
ちょっと、恥ずかしいかも。
忘れ物でも、借りに来た……とかかな。
――でも、俺のクラスに入るのが恥ずかしい。
そう勝手に解釈した俺は。
なびく髪が消えた、あの壁の向こう側へと。
――行ってみた。