年下カレシに蜜な罠
そおっと、そおっと……
出来るだけ音を出さないように、凜久の教室へと忍び寄る。
“見に行ってみよう”
そう、あおいが提案した日から
数日が過ぎてしまった。
こんなに勇気がいる事だったなんて、――知らなかったよ……。
やたらと加速し始める胸を、押さえながら。
壁から、顔を少しだけ出してみると。
――あ、凜久……
「あおい、凜久がいるよ……!」
視線の全てを奪われてしまった私は、後ろにいるはずのあおいに手を伸ばした。
「……あれ?」
いない!
あおいがいないよぉ……っ!