年下カレシに蜜な罠
どうしよう……。
でも、あと
――ちょっと、だけ。
普段は見えない、凜久の姿を見ていたかった。
机に頬杖を付いて、話をしている姿はやっぱり新鮮で。
……あ、
ヨウくんシャープペンをカチカチしてる。
しばらく、そのふたりに釘付けになりながら
そろそろ戻らないとまずい、と思った時。
「……ッ!」
凜久が、こっちを向いた。
一瞬だけ、だったけど。
急いで壁に隠れて、息を整える。
あんな一瞬だけだったのに、どうしてこんなに乱されるんだろう。
そんな想いを抱きながら、その場から急いで走り去った。