年下カレシに蜜な罠



――わ、瑠璃待っててくれたの?


ふふ……っ。

凜久、驚くかな?



「あら、なんだか機嫌がいいわね瑠璃ちゃん」

何かの書類を片手に、先生が椅子に座る。


「教室だと、掃除のジャマになっちゃうかなって」



窓側のベッドに、そっと腰を下ろした。


先生はさっきから頭を抱えながら何かを書き込んでいる。


カリカリと、芯が削れる音だけが響いていて。

きっと
大切な、資料なんだろうな……。


先生と楽しくおしゃべりしてたら良かったんだけど、

邪魔しちゃ悪いから――



私はこっそり
保健室を抜け出した。




凜久、どこにいるのかな――?


真っ直ぐに伸びる廊下を、グラウンドを眺めながら

のんびりと進んでいった。



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