年下カレシに蜜な罠
――「あれ?瑠璃、待っててくれたの?じゃあ一緒に帰ろうか」
私に微笑みかけて
いつものように手をつないで
その時の私は……
まだ、信じてたの。
何の疑いもせずに。
凜久が一歩、足を前に踏み出したとき。
さすがに、私も……気が付いてしまった。
――凜久の、異変に。
“聞こえてない”
そんなんじゃなくて……
“聞いてくれない”
今の私の声は……
凜久に届いてはいなかった。
勝手に待っていたこと、怒ってるのかな。
それとも……
教室に行ったこと――?
無視されたり、小さなイタズラには慣れていたはずなのに。
大好きな人からそんな事されるなんて。
こんな事初めてで。
私……、
どうしたらいいのか
分からないよ――――…