年下カレシに蜜な罠
「お持ち帰りっ?」
注文した後、私は驚きの声を上げた。
私はてっきり、ここで食べて行くと思ってたから。
…でもたまには、家でまったり食べるのもいいよね。
桜並木を通り抜ける風に目を細めながら、凜久の隣を歩く。
「瑠璃の家、行っていい?」
左手でハニーバーガーやらシェイクやら入った袋をプラプラさせながら、凜久が振り返る。
「うんっ!」
少し先を歩く凜久にタタッと駆け寄って返事をする。
確かお母さん…、今日は友達と食事に出掛けるって言ってたから…ふたりっきりだ。
今までは勉強、勉強だったから…こうしてお昼を食べながらまったりするなんて久しぶりかも。