年下カレシに蜜な罠



ドアを開ける直前、見慣れた背中が視界の隅に映る。


まさか――、
 凜久……?



震え上がる視線を、どうにか窓の外へと向けた。




凜久は……
待っていてはくれなかった。




「……うっ、」

喉の奥を這い上がってくる嗚咽を抑えきれないまま、


夢中で、走った――。




凜久の元へ。






急いで靴を履き替えて、校門へと走る。


凜久の背中を、

振り返ってくれる事を祈りながらただひたすら走る――。


< 231 / 350 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop