年下カレシに蜜な罠
足がもつれ、視界がぐるりと回り手のひらに砂が付いた。
「――痛ッ…」
つまづいて、転んでしまっても。
凜久は振り向いてくれない。
どうして
どうして――――?
「凜久、お願い……!待ってよぉ!」
もう、
溢れてくる涙を止めることなんて私には無理だよ――。
擦りむけたヒザからは、赤い血が噴き上がる。
コンクリートの上でできた傷は……グラウンドで転ぶよりも深い。
「痛い……」
こんな傷よりも……
心の方が、もっと痛い。
擦りむける……
ううん――、
えぐって
えぐって、えぐられて。
そんな、痛み。