年下カレシに蜜な罠
◆13*Honey
次第に迫ってくる足音。
きっと、瑠璃だ……。
後ろで弾けたのは、瑠璃の小さな悲鳴。
「――痛ッ…」
唇をギュッと噛み締めて
前に進む。
もう、――戻れない。
「凜久、お願い……!待ってよぉ!」
初めて聞いた瑠璃の悲痛な叫び。
瑠璃……
泣いてるの――?
グラリと揺らぐ俺の心。
心が折れそうになりながら、前へと踏み出す。
それでも尚、無視し続ける俺を
追ってくる声。