年下カレシに蜜な罠
「瑠璃――ッ、瑠璃!!」
地面にうつ伏せに倒れている瑠璃をひざの上に抱き上げる。
伏せていた瞳がゆっくりと持ち上げられていく。
「り、く……やっと」
震える唇が、言葉をこぼしていって。
瑠璃の手のひらが俺の頬に優しく添えられて……
――『こっち、向いてくれた』
涙で濡れた、瑠璃の頬。
最後の言葉を残すと。
細い腕に一本の赤い線が引かれるのと同時に、
瑠璃の腕が地面に――落ちた。