年下カレシに蜜な罠
わ、私…―――
なんにも用意してなかった…!
「…――あ、えと…凜久」
「ん?」
ハンバーガーをパクッと頬張る凜久の顔を、下から遠慮がちに視線を添わせる。
「入学祝い、とか…」
なんて続けていいのか、分からなくて最後は小さくなってしまう。
「…え、何かくれるの?」
目をクリッとさせながら、どこか期待の眼差しで私を見る。
「え、えと――…」
何にも用意してなくて、困っていた私は言葉に詰まり…片手に持っていたシェイクをズズッと吸う。
「でも瑠璃からもらうもの、実はもう決めてあるんだ」
――…へ?
何だろう?
私の持っているハニーシェイクを奪うと、それをコトンとテーブルに戻す。
凜久と私の距離がだんだんと失くなっていって。
気が付けばもう数センチと距離。
3 2 1 …
0 ゼロ―――
「凜、―――…久?…んっ」
凜久の唇が押し付けられ、体温が一気に上昇するのを感じた。