年下カレシに蜜な罠
「……はい」
渡されたのは、白い錠剤が二粒。
え、と――私……
あ、あのね?
「薬、キライ……」
小さい頃から、この錠剤の薬も粉薬も飲めなくてお母さんを困らせたっけ。
そう話すと、
「――え、じゃあ」
今まで、は?
瞳をまん丸にしながら、驚く凜久の返事に
「自然に治るまで……寝てたの」
だから薬って本当に飲んだことないの……。
こんなの聞いたら凜久、
――呆れちゃうよね?
「じゃあ……克服するチャンスだよ?」
優しかった凜久の表情が、急に意地悪なモノに変わる。
私の手のひらから、薬を奪うと
それを口に放り込んで
――コップの水も、口に含んでしまった。