年下カレシに蜜な罠




「瑠璃、おやすみ」

おでこにかかる髪を流して、そっと唇を落とす。



「……ん…」


薬……先に飲んでもらって良かった。




――『栄養と睡眠が、治療には1番だからね。

薬はあくまでも、自分で治ろうとする力を手助けするモノだから』



薬にも、弱いけど睡眠作用があるものを処方しておくから。

最初のうちは、これを飲ませてあげて。


先生からの言葉を思い出してホッとする。




スヤスヤ眠る瑠璃を見て、
やっと俺も心の底から安心出来た気がする。



ヨウたちが来るのは、まだ先だよな。

俺も仮眠しておくか。



ベッドの端に頭を預けて、
瑠璃のりんごみたいな甘い香りに包まれて……


俺も眠りについた――。


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