年下カレシに蜜な罠





─***──***──***─


本当にごめんなさい。

さおりさんに頼んだムービーが、まさかこんな結果になるなんて
思わなかったの。


遊くんが、
瑠璃を好きだって知った時。

瑠璃がすごくうらやましかった。

人見知りで、友達も少なくて……私とは対照的な瑠璃に遊くんを取られたくなかった。


遊くんが、好きだったから。

だから、遊くんの『幸せ』を願ったの。


瑠璃と凜久くんを引き裂いて、
少しでも私が遊くんの力になれればって。



――でも

これからは、『遊くん』の幸せじゃなくて『私』の幸せを願うよ。


シアワセの形って、人それぞれ。

私が願う幸せは、誰かの犠牲の上に成り立つものって……

今になって気付いたんだ。


瑠璃にとってのシアワセが、
『凜久くんと一緒にいること』

だったら、私はもう邪魔しない。


遊くんに、自分の気持ちを伝えるって決めました。



どんなに謝っても、許してもらえなくてもいい。

早くケガを治して元気になって欲しい。


本当に、ごめんなさい。


いつかあの頃みたいに、
3人で笑い合える日が来ることを願っています。

それが
今の私の『シアワセ』だから。



           瑠奈


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