年下カレシに蜜な罠
「良くなって来たね」
「……うん!」
体に残ったキズも、薬のおかげできれいに治りつつある。
打撲だった腕も、感じる痛みは少なくなってきて。
学校を休んで4日目の、木曜日。
窓の外の空気は湿気を含みながらも、青空が広がっている。
もうすぐ、夏が来るんだ。
凜久のことを意識するようになって、
『好き』
初めてのキモチに気付いた季節。
「瑠璃……ッ!」
息を切らせた凜久が、勢いよく部屋に戻ってくる。
「……許可でたよ!」
「本当に……?」
明日は、遊くんとさおりさんの教育実習最後の日。
どうしても行きたかった私に、
凜久が先生に頼んでくれたんだ。