年下カレシに蜜な罠
「――でも、そんな積極的な瑠璃も好き」
…すかさず私の唇をチュッと奪うと、はにかんだ。
「…あ、送ってくよ」
私も凜久に続いて、外に出ようとする。
…でも、とっさにその道は塞がれてしまう。
薄く開かれたドアの向こうからは薄日が差してきて、思わず目を細める。
「じゃあ、そこまでならいい?」
と、玄関の向こう側を指さすと。
「瑠璃ってさ、そういうトコ…可愛いよね」
私の手を握って、外まで導く。
小さく、遠くなる背中に
「明日は一緒に学校行こうねっ」
大きく、大きく声を飛ばした。
「うん、迎えに行くから。…ってもう家に入りなよ」
「ふふっ、分かった」
その背中が見えなくなるまで、見送った後…静かに家へと入った。