年下カレシに蜜な罠


「――でも、そんな積極的な瑠璃も好き」


…すかさず私の唇をチュッと奪うと、はにかんだ。





「…あ、送ってくよ」


私も凜久に続いて、外に出ようとする。

…でも、とっさにその道は塞がれてしまう。



薄く開かれたドアの向こうからは薄日が差してきて、思わず目を細める。



「じゃあ、そこまでならいい?」

と、玄関の向こう側を指さすと。



「瑠璃ってさ、そういうトコ…可愛いよね」


私の手を握って、外まで導く。




小さく、遠くなる背中に


「明日は一緒に学校行こうねっ」

大きく、大きく声を飛ばした。




「うん、迎えに行くから。…ってもう家に入りなよ」


「ふふっ、分かった」



その背中が見えなくなるまで、見送った後…静かに家へと入った。

< 30 / 350 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop