年下カレシに蜜な罠



「――えぇ、今日が実習最終日です。皆さん今日も1日よろしくお願いします」

担任の先生に変わって、遊くんが挨拶をした。


クラスのみんなからは、もっと長くてもいいのに……と、寂しいという声が上がる。



最後の日……
遊くんの授業を受けれてよかったって思いたい。


今日は、いつもより真剣に話を聞こうと思った。




「じゃあ、ここを……片瀬」

「……はい」

こうして遊くんにさされるのも最後なんだな……と寂しく思いつつ、しっかりと答えた。




実習が始まったばかりの、
どこかあどけない遊くんの姿はもうどこにもなくて。


自信を持って授業を進めていく遊くんの背中は、
とても大きく、誇らしげに見えた。


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