年下カレシに蜜な罠



「ほら、行こう」

「……う、うん!」


あたたかい凜久の手を握れば、
目の前の世界は無限に広がる。


なんでもない景色でも

まるで絵の具を垂らしていくように鮮やかに染まっていって。



いつだって
凜久の手のひらは、ここから私を何度でも連れ去ってくれる。




       ―― 恋の魔法








「うわぁ……懐かしいね」

遊くんのこともあおいのことも、この際考えないようにして

窓の外の風景に夢中になる。



青々とした葉っぱは、眩しい太陽の光をキラキラと反射していた。


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