年下カレシに蜜な罠



「あの頃もこうして手を繋いで行ったよね」

その言葉と同時に、凜久が繋いだ手に力を込めた。



「今日は……」

「……ん?」

不思議そうに顔を傾ける凜久に、今自分の言いたいことが余計恥ずかしく感じて。




「こうでも、いい?」

「……ッ」


繋いだ手を解いて、凜久の小指だけをキュッと握った。



――…あ
凜久、顔真っ赤……。




「瑠璃って無意識のうちに俺に仕返しするよね」

「……、え?」

「ううん、なんでも」


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