年下カレシに蜜な罠
あおいと、ヨウくんと合流して学校へと向かう。
そういえば、最近はヨウくんと一緒に行かなくなったよね、凜久。
気が付けば、朝はあおいとヨウくん一緒にいるんだよね。
「――あ、なんか明るくなってきた」
そのあおいの一言で、空を見上げる。
「雨、弱くなって来たね。凜久、かさ持つよ?」
「え、いいよ?」
女の子に持たせるのは、
やっぱり恥ずかしいし。
こういうのは、
男が持つものなの。
そう言って、なかなか譲ってくれない。
そんなの、いいのに……。
いつもかさを持ってくれてるのは凜久だから、悪いかなって。
――あ、そうだ!
「ふふっ……これならいいでしょ?」
かさを握る凜久の手に、自分の手を重ねた。