年下カレシに蜜な罠


「――でもさ、やっぱり瑠璃の夢気になる」


片手を電車のドアへ付きながら、たくさんの人から瑠璃を守る。


隣にはいかにも…興味津々と俺たちを覗き込むヨウの姿。



「何々?その夢、俺も気になんだけど」


ニヤッと妖しげに口端を吊り上げ瑠璃を見下ろすヨウに、顔を真っ赤にしてしまった瑠璃。



「え――…っと…」


なかなか話してくれない瑠璃に、とりあえず辿り着いた結論を話してみる。



「遅刻の原因は、俺の夢なの?」


ボッと噴火した火山のように、今度は耳まで赤く染めてしまった。



ここまで来て、また瑠璃をいじめたい衝動に駆られた俺は――…。



「夢の中で俺と、どんな事してたの…?」


もう一度、聞いてしまう。


< 37 / 350 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop