年下カレシに蜜な罠
「――でもさ、やっぱり瑠璃の夢気になる」
片手を電車のドアへ付きながら、たくさんの人から瑠璃を守る。
隣にはいかにも…興味津々と俺たちを覗き込むヨウの姿。
「何々?その夢、俺も気になんだけど」
ニヤッと妖しげに口端を吊り上げ瑠璃を見下ろすヨウに、顔を真っ赤にしてしまった瑠璃。
「え――…っと…」
なかなか話してくれない瑠璃に、とりあえず辿り着いた結論を話してみる。
「遅刻の原因は、俺の夢なの?」
ボッと噴火した火山のように、今度は耳まで赤く染めてしまった。
ここまで来て、また瑠璃をいじめたい衝動に駆られた俺は――…。
「夢の中で俺と、どんな事してたの…?」
もう一度、聞いてしまう。