年下カレシに蜜な罠
気になってしょうがない、
――その夢。
夢の中の俺にまで妬いてしまっている、どうしようもない…自分がいた。
「夢の中で俺と、どんな事してたの…?」
や、やっぱり…――。
凜久にだって私があんなんじゃ、分かっちゃうよね…。
どうしよう!
変な寝言なんて言ってたら…。
「――ねぇ、瑠璃?」
すぐ前には凜久の顔。
ガヤガヤとうるさい電車の中、女子高生の甲高い話し声も…
目まぐるしく通り過ぎていく見慣れた景色さえも、今の私には全てが無だった。
「なんか今日の瑠璃は変だな」
前髪から片方だけ下がった眉を覗かせるヨウくん。
「そうみたいだね」
それにサラッと返事をする凜久。
こんなふたりに今日もたくさんの人から守られながら、登校。