年下カレシに蜜な罠
「ちょ――…っ、瑠璃?」
フラフラと反対方向の階段に向かう私に、凜久の腕が伸びて来る。
やっぱり今日の私はおかしいみたいだ。
ううん…――
甘い夢を見始めた、あの日からなのかもしれない。
「帰りは瑠璃のクラスに迎えに行くから、――ちゃんと待ってるんだよ?」
まるで、小さい子に言い聞かせるような口調で…心配そうに苦笑を見せながら凜久も自分のクラスへ向かって行った。
* * * * *
「あおい――…」
どうしたのっ?
そんなしょんぼりしちゃって…。
眉をしかめながら、首を傾けるあおい。
あの夢の事は少しだけだけど…ちゃんとあおいに話してあるんだ。
でも、凜久に知られてしまった所を見ると余計話しづらい。
「もしかして…―、瑠璃…欲求不満とか?」
想像していた言葉を吐かれ、私はピシッと固まってしまった。