年下カレシに蜜な罠


食べ物の味を味わうというか、今日は無理やり飲み込むという作業を繰り返しただけ。


隣に座る、凜久の体温や匂い――凜久の存在自体に、こんなにも反応してしまうなんて…。

私っておかしいのかな。


“凜久に甘える”

そんな事、今の私に出来るのかな…。


チラッと凜久の方に遠慮がちに視線を泳がすと、


「――何?」


口元に微笑を描きながら、私を捉える凜久に心臓が跳ね上がる。



「なんか今日の瑠璃は――」


無意識のうちに、視線をそらしていて、俯く視界に入ってくる凜久の手。


頬を優しく包まれて、上を向かされてしまえば、私の視界は凜久で埋まってしまう。



「恥ずかしがり屋さんだね」

唇が触れ合う寸前に、吐息とともにこぼれた言葉。

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