年下カレシに蜜な罠


紺色のブレザーに身を包みネクタイを少し緩め、外の景色を見つめるそのキリッとした表情をチラリと盗み見すると、



「――…うっ…」


心臓が、このままじゃ持たないかも。



「瑠璃…――?」


大丈夫?


み、耳に息が…―――



ピクンと肩を揺らすと、




「瑠璃はいつもこんな電車に乗ってたんだね」


電車の中を見回し、悩ましげな表情で眉を寄せながらふうっとため息を付く。





「これからは俺が瑠璃を守るよ」




――そう。

いつの間にか凜久は自分の事を、"僕"ではなく"俺"って言うようになって。


な、なんか表情まで大人っぽくなっちゃって…。




隣に並んでヨウくんと笑いあって話す姿は、もう幼さなんて感じさせない程。



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