年下カレシに蜜な罠


休み時間は、…あと少しなんだけど。

もう少しだけ、瑠璃に触れていたい。


体温を、匂いを――。

瑠璃の傍で感じたい。




「膝まくら、して?」


一瞬、戸惑った瑠璃だけどすぐに微笑んで

「うんっ、いいよ。おいで?」


膝をポンポンと叩く。


少し緊張しながら、ぎこちない動きでその場所に頭を沈める。

ゆっくりと滑り落ちていく温かな瑠璃の手のひらの感触を、全身で感じながら。


青い空を時折ピンク色に染める景色に視線を奪われたまま、そっと瞼を下ろした。


< 53 / 350 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop