年下カレシに蜜な罠


柔らかな風に吹かれ凜久の髪がフワリと浮き上がる。

日差しに反射して、栗色に染まりゆく凜久の髪。

何度も手のひらですくったり、滑らせながらもうほとんど散ってしまった桜の木を眺める。



「…ん、気持ちいい…」

凜久の気持ち良さそうな表情を見つめていると、なんだか私まで眠気に誘われてしまう。

スカートは短いままだから、いつも以上に足が外気に晒されてしまっていて。


凜久の髪が…風になびく度にサラサラと滑り落ちて来て、くすぐったい。


欠伸を噛み殺しながら、凜久に小さい声で囁いた。



「凜久…、もう授業始まっちゃうよ?…戻らないと」

「………」



聞こえてくるのは、凜久の寝息のかすれた吐息だけ。


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