年下カレシに蜜な罠
「これだから、目が離せないんだ…」
その声と共に回されていた腕に力が込められ、
保健室のベッドの上で、後ろから凜久に抱きしめられているんだとやっと頭が理解してくれた。
「りり、凜久――っ」
一緒のベッドはまずいよぉ…っ。
「ボールを打とうとした時に」
よそ見なんてするから。
ジャンプしてたから、すぐにはよけられないでしょ?
打ち損ねたボールが頭に当たって、着地がうまくいかなかったんだよ。
「――痛っ」
先生に、右足首に包帯を巻かれながら隣に座る凜久が説明をしてくれた。
そうだったんだ…。
あの時に“もしかしたら凜久のクラスかも”
なんて淡い期待を抱いた私が悪いんだ。