年下カレシに蜜な罠
「だから、いい機会なんじゃねぇの?」
「合宿、ね…」
確かに、俺は瑠璃に甘えてたのかもしれないな。
弱い瑠璃を守っていたつもりが、“弱い自分”を隠すことだって。
ヨウの言葉で気付かされちゃったよ。
なんか俺、カッコ悪いな…
いつの間にか、弱くなって瑠璃から離れられなくなったのは“俺”の方だったんだ。
「ってことだから。じゃあな」
きだるそうに片手を上げると、そのまま廊下を歩いて行ってしまった。
「さて、と」
瑠璃はまだ、教室にいるかな。
俺も瑠璃も、たった2日間だけどいろんな意味でお互い成長できるかもしれない。
――“毎日一緒にいるのが当たり前”な日常に、
何かな変化が。
もうすでに、起こり始めていたんだ。