年下カレシに蜜な罠
「ああっ!」
なんで、私…こんな弱気になってるんだろう。
今年の3月までは、普通に行ってたじゃない。
“恋をすると、強くなる”
そんなの、嘘だよ―――。
顔を上げ、鏡の向こう側に映った私の顔は…どこまでも暗くて。
笑ってみても、なんだかいつもみたいに笑えないよ。
“恋は、人を弱くさせる”
そんな言葉の方が、今の私にはピッタリだ。
気分を切り替えるために、バシャバシャと豪快に顔を洗ってみる。
「――よし」
ペシッとほっぺを叩くと。
“さっきよりも”
だいぶマシな私が映っていた。