年下カレシに蜜な罠
“冗談”
そんな言葉を口にした時の…
遊くんの表情が忘れられないよ。
口は笑ってたけど――
すごく…寂しい瞳をしてたんだ。
取り繕った表情の裏側、
瞳の奥に……何かを必死で隠してるような
溜め込んでいるような――。
「それは……」
校舎裏の芝生。
いつもは4人で座る所に、今日はふたり。
眉の間にシワを寄せながら、あおいが何かを言いかけた。
「もしかして、瑠璃…」
“凜久くんがいない間に…
何かが大きく変わっちゃうかも”
「―――え?」
勢いよく吹いた風に、私はその言葉を聞き取る事が…出来なかったんだ。